主催者挨拶 10:40-11:00
デジタル体験の新潮流
デザインが担う領域の変化と可能性
近年、ビジネスはもとより社会的な取り組みに際しても「デザイン」の捉え方や役割は大きく変わってきています。そして、この変化の流れを捉えるためには、今後デザインの役割がどのように変化してゆくのかについて、多角的に考え続ける必要があります。今回は、2022年現在の技術動向を追いかけながら、不確実性の高い未来に対してUI
UXデザインが、今後どのような可能性を持ちうるのかを考察していきます。
株式会社ニジボックス 執行役員
サービスプロデュース事業 本部長
株式会社リクルート
デザインマネジメントユニット
デザインマネジメント部
2011年、デザイン・フロントエンド技術者としてリクルートに⼊社。インキュベーション部門Media
Technology Lab.(現
新規事業開発部)に参画し、UX開発組織のGMに就任。
また、国内の事業開発人材にUXデザインプロセスを浸透させたい、文化を醸成したいとの思いから、4000人規模のオープンコミュニティ「UX
Sketch」の運営を行う。
2021年、ニジボックスの執行役員の他に、株式会社リクルート デザインマネジメントユニット デザインマネジメント部に兼務。
基調講演 11:00-12:00
元Fortnite UXディレクターが語る!
「メタバース」でひろがる体験価値
テクノロジーが目まぐるしく進化する現代において、ゲームやツールはますます魅力的で没入感のあるものになってきています。それに伴い、ユーザーエクスペリエンス(UX)の専門家にとって、今までにはなかったような新たな課題と倫理的な懸念が生まれつつあります。UXの実践は、クリエイターが倫理とインクルージョンに配慮しながら、誰もが楽しめる、より没入的で魅力的なメタバースなどを形成するために、どのように役立つのでしょうか。本講演では、世界で3億5000万人を熱狂させ、メタバースブームの基点ともいわれているフォートナイトでUXディレクターを務めたセリア・ホデント氏をお招きし、このような新しい技術的課題と懸念をUXの観点から探っていきます。
Celia Hodent
Celia Hodent
UXコンサルタント/
元Epic Games
(代表作:フォートナイト)
UXディレクター
心理学の博士号を持ち、ゲーム業界におけるUX戦略とプロセスの開発に関して10年以上の経験を持つ。
Ubisoft、ルーカスアーツ(スターウォーズ:1313など)、EpicGames(フォートナイトなど)での仕事を通じて、多数の実績を残してきた。
また、Game
UX Summitの創設者であり、『ゲーマーズブレイン
-UXと神経科学におけるゲームデザインの原則-』の著者でもある。
現在は独立し、UXコンサルタントとして活躍中。
13:00-13:50
デジタル庁CDOが語る
〜行政にデザインを浸透させる意味とその可能性〜
デジタル庁は「誰一人取り残されないデジタル社会」を目指し2021年9月1日に発足して以来、国民の期待を込めた熱い視線を集めています。皆さんの記憶に新しいのは閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の公布や、提供サービスとしての「新型コロナワクチン摂取証明書アプリ」の発表でしょうか。今回は、デジタル庁CDOというポジションで、現在進行形でデザインの導入を推進する浅沼氏をお招きし、行政においてデザイナーがどのような役割を期待されているのか?
そして国民と行政をつなぐデジタル庁の役割、海外デジタルガバメントとの状況比較など、公開いただける限りお話しいただきます!
デジタル庁
Chief Design Officer
2021年9月からデジタル庁のCDO(Chief Design Officer)に就任。
三菱UFJグループ戦略子会社Japan
Digital DesignのCXO(Chief Experience Officer)を兼職。
インハウスデザインとデザインコンサルティングの経験を活かし、サービスの体験デザイン戦略策定とデザイン組織立ち上げに従事。
IF
Design
Award、グッドデザインアワード等、国内外のデザイン賞を受賞。
13:50-14:40
市民参加型の社会づくり
多様な人々が主体になる未来
皆さんは「シビックテック」という言葉をご存知でしょうか?
1つの解釈として「市民が主体となってテクノロジーを活用しながら社会・公共の課題に関わっていくこと」と捉えることができます。両氏はこれまで、市民と行政が手をとり、理想的な社会について「ともに考え、ともにつくる」試みを、多様なアプローチで試みて来られました。今回はお二人のこれまでの活動をご紹介いただきながら、市民を巻き込みながらいかに新しい「価値」を創り出してゆくべきかについて考えます。
一般社団法人コード・フォー・ジャパン
代表理事
一般社団法人コード・フォー・ジャパン代表理事。「テクノロジーで、地域をより住みやすく」をモットーに、会社の枠を超えて様々なコミュニティで積極的に活動する。
住民や行政、企業が共創しながらより良い社会を作るための技術「シビックテック」を日本で推進している他、オープンソースGISを使ったシステム開発企業、合同会社
Georepublic Japan
CEO及び、企業のオープンイノベーションを支援する株式会社HackCampの代表取締役社長も勤める。
また、デジタル庁のプロジェクトマネージャーや神戸市のチーフ・イノベーション・オフィサー、東京都のチーフデジタルサービスフェローなど、行政のオープンガバナンス化やデータ活用、デジタル活用を支援している。
その他の役職:総務省
地域情報化アドバイザー、内閣官房 オープンデータ伝道師 等
東京大学生産技術研究所
DLX
デザインラボ
特任研究員
エクスペリエンスデザインディレクター。
Royal College of
Artデザインプロダクト専攻修士課程修了。
デザインコンサルティング会社FJORDロンドン本社にて国際的サービスデザイン案件、ドバイで博物館デザイン、東京で広告代理店やビジネスコンサル会社でデザインディレクターとして広告や新規事業企画に携わった後、現在東京大学生産技術研究所DLXデザインラボにて特任研究員。デザイン視点の市民参加型科学研究を軸に、ワークショップデザイン等、新領域研究のディレクションからデザインプロセスまで携わる。2021年D&AD(英国)審査員、文化庁メディア芸術祭
審査員会推薦作品選出。
14:40-15:30
次世代につなぐデザインと組織のあり方
~
社会と組織を元気にする「T型人材」の育成方法 ~
創業当時から、『社会とともに』という理念を掲げ、テクノロジーで世界をより豊かな未来へ導くことに力を入れてきたIBM。同社で長年デザインをリードし、社会の基幹を支えるビジネス、人材育成、教育の各領域で、「デザインの本質的な価値を言語化して伝える」ことの大切さを訴え続けてきた柴田氏。今回は、未来の社会を担う、次世代デザイナーのあるべき姿として、深い専門性と幅広い知見を持った「T型人材」について、その必要性と育成アプローチについてお話しいただきます。
IBM Consulting
エグゼクティブディレクター/デザインプリンシパル
IBMユーザーエクスペリエンス・デザインセンターを経て現職。ユーザーエクスペリエンス・デザインの専門家として金融、保険、通信、公共、製造などのお客様の顧客体験や従業員体験のデザイン、IBM独自のエンタープライズデザイン思考を活用した新規事業創出や新規サービスの創出、ユーザーにとって魅力的で使いやすいアプリケーションのデザインなどを担当。2009年
HCD-Net人間中心設計専門家認定、評議員、2016年 IBM Design
Thinking Leader認定。2019年
日本初のIBMデザインプリンシパルに認定。著書に「IBMの思考とデザイン」など
15:45-16:35
「怠惰の法則」で観る2022年
主流になるもの、文化になるもの、最新テックを俯瞰する
新しいテックやサービスが出たときに、それがメインストリームとして一般化するかどうかの判断基準として、深津氏はまず「ダメな人にどれだけ優しいか」をチェックするそうです。「あらゆるテクノロジーは、人を甘やかす方向に進化してきている」と、氏はこれを自分ルールと前置きしつつ「怠惰の法則」と呼んでいます。今回は、2022年現在の世界を深津氏と見渡しながら、今後メインストリームに残りうる事象は何か?
AIの進化など、テクノロジーの進化が進むほどに、人間が才能を発揮する領域は本当に奪われてゆくのか?
テクノロジーと体験の見極め方について考察していきます。
THE GUILD
インタラクションデザイナー
インタラクション・デザイナー。株式会社thaを経て、Flashコミュニティで活躍。独立以降は活動の中心をスマートフォンアプリのUI設計に移し、クリエイティブユニットTHE
GUILDを設立。メディアプラットフォームnoteのCXOとして、note.comのサービス設計を務める。
執筆、講演などでも勢力的に活動。
16:35-17:25
戦略に欠かせないUXリサーチ
製品にイノベーションを起こすユーザー中心戦略
新たなイノベーションを起こすには、ビジネスニーズだけではなく、ユーザーニーズをしっかり理解した上で、明確な製品戦略を立てることが重要です。UXリサーチは、製品開発を始める前の段階からユーザーの本質的なニーズを特定し、ユーザーに対する憶測と実態の違いを明確にします。そして、どのような問題を解決する製品を作れば、ユーザーにとって価値のあるものになるのかを導き出すサポートとなります。今回は、グーグル合同会社でシニアUXリサーチャーを務める矢野氏から、なぜUXリサーチを戦略に取り入れると製品全般のUXが向上するのかをお話しいただきます。
グーグル合同会社
Search UXチーム
シニアユーザーエクスペリエンスリサーチャー
2006年にUXリサーチャーとしてマイクロソフトに入社。
日米を拠点とし、グローバル展開する製品(Xbox、Microsoft
Office、Windows)の開発現場でUXリサーチを担当。
アドビ(Creative
Cloud、Marketing Cloud)、Uber(Uber
Eats)を経て、現在は「Google 検索」の製品開発チームに所属。
UXリサーチを通して、ユーザーを中心としたエビデンスに基づく製品デザインの戦略やイノベーションをリードする。製品、サービス、環境、社会、教育のインクルーシブデザインにも力を入れ、障がいを含む多様な背景やニーズを持つ人々の効果的な共存を目指す。
プライベートではシンシナティ大学(米国)の大学院で勉強しながら子育てに奮闘中。
クロージングトーク 17:25-18:15
デザイン経営の先にあるもの
〜デザイナーの役割を更新するデザインマネジメント〜
2018年に経済産業省・特許庁から発表された「『デザイン経営』宣言」以降、日本企業がグローバルに競争力を発揮するため、デザイン思考のアプローチでビジネスに臨むことが重視されています。昨今ではデザイン経営の根幹である、デザイン組織の構築や次世代のデザイナー育成において、様々なアプローチが試みられるようになってきました。デジタルトレンドが目まぐるしく更新される中で、デザイナーは、どう振舞うべきなのでしょうか?
これまでそれぞれのアプローチでデザインマネジメントに取り組んできたお二人が、デザイン組織の可能性や、経営やプロダクト開発にデザインを取り入れた先にある未来について考察します。
MTDO inc.
代表取締役/アートディレクター/デザイナー
東京造形大学II類デザインマネジメント卒。
東芝にて家電、情報機器に携わり、家電ベンチャーリアルフリート(現アマダナ)の創業期に参画した後、MTDO
inc.を設立。企業や組織デザインとイノベーションの研究を通し、広い産業分野においてコンセプトメイキングからプロダクトアウトまでをトータルにデザインする「デザインマネジメント」を得意としている。
ブランディング、UX、プロダクトデザイン等、一気通貫した新しい価値創造を実践、実装しているデザイナー。国内外受賞歴多数。2013年TEDxTokyo
デザインスピーカー。
株式会社リクルート プロダクトデザイン室
デザインマネジメント部
部長
兼 株式会社ニジボックス クリエイティブ室
京都工芸繊維大学大学院を修了後、総合デザインファームにて通信キャリアのデザインマネジメントや自治体の公共デザインなど、領域を横断したデザイン業務に携わる。
2015年にリクルートに入社し、HR、日常消費、学び領域におけるプロダクトデザイン業務、横断デザイン組織立ち上げ等に従事。
2020年よりグループ会社である株式会社ニジボックスを兼務し、リクルート全社のデザイン価値のベースアップ促進を担う。